2019年2月11日月曜日

Thunderbird in 2019

少し前のブログポストですが、2019年のThunderbirdの計画について簡単にメモ。
「※」は、私の勝手なコメント。

Thunderbird in 2019

Making Thunderbird Fly Faster
UIの遅さや、パフォーマンスの改善に取り組む。
より新しく、速い技術を活用して、Thunderbirdのコードを書き直していく。
マルチプロセス化も。

※Firefoxでやった、Electrolysis(E10S)の導入ってとこですかね。

A More Beautiful (and Useable) Thunderbird
UX/UIの改善に取り組む。
  • Gmail supportの改善
    ラベル対応、その他Gmail特有の機能をThunderbirdに取り込む。
    ※連絡先もネイティブで同期してくれるとうれしい。
  • 通知の改善
    OSの通知システムとのよりよい統合
    ※タスクトレイにしまえるようになるのかな。
  • 暗号化、設定まわりのUX/UI改善
    ※これはちょっと時間がかかりそう。

So Much More
技術的な概略はメーリングリストの投稿をみてね。

※ということで、意訳、抜粋してみます。(書きたかったのはここから)

[Maildev] thunderbird near term focus

UIの遅さに取り組む:
  • UIの遅さを分析、特定する
  • UIのパフォーマンスを測定する自動テストをつくる
  • スムーズな操作ができるように、アーキテクチャを変更する
  • Webテクノロジーを活用してコードを書き換える(特に負荷をWorkerにもっていく)
  • マルチプロセス

統合の改善:
  • Gmailサポート
  • 通知(システム統合)
  • .ics取り扱いの改善
    ※「inline event display」といっているので、メール本文のなかでの扱いが改善される?
     使っていないので、ピンとこない。

nsMsgSendの書き換えを完了する:
  • libmimeを取り除くのが最終ゴール。
    ※ユーザ側には影響はなさそう。
     メール送信まわりはアドオンから触りづらかったので、このあたりが改善されるとうれしいけど…ちがうかな。

フィルタの書き換えと改善:
  • 非同期のJavascript実装にする(今は同期のC++)
  • サーバごとのフィルタ適用を改善(全体に適用、フォルダごとに適用など)
  • Raw MIMEでなく、メッセージに対してフィルタできるようにする
  • サーバとの協調
    • ManageSieveプロトコル対応(※これ知らなかった)
    • Google filters対応(GData API)
  • UIのパフォーマンス改善にも効果がありそう

Webテクノロジを使ったプロトコルの書き換え:
  • メールプロトコルをJavascriptで書き換える。SMTPから。

より簡単な暗号化:
  • ユーザが証明書更新の仕方まで気にしなくていいように
  • 専門用語や、まぎらわしいメッセージを削除
  • OTRの実装(※認証方式:Offset Two-Roundのこと?詳しくはわからない)

Best add-onの採用:
  • Best of add-onsをThunderbirdのコアに取り込む
  • データインポート/エクスポート/アクセスの改善(ImportExportTools)
  • TNEF対応(LookOut)
  • Quicktextのいいとこ(テンプレート)
  • Exchange対応の調査

    人気のアドオンは、アドオンのままとしておくことに、あまり意味がない。
    ほとんどのユーザはアドオンを知らないので探さないだろう。
    多くのアドオンは、WebExtensionに更新されることもないだろう。

    アドオンには管理責任が分散される利点があるが、アドオン作者がコードをメンテしてくれるとうれしいなぁ(←虫が良すぎでしょ笑)

自動テストの更新:
  • Mozmillはだいぶ前に終わったけど、まだ、メインのUIテストフレームワーク。
    FirefoxのようにMarionetteに移行すべき。

オープンフォーマット、Structured dataのサポート改善:

    ※このあたりはよく知らないのでわからない。
     vCardのコードは1996年にさかのぼるらしい。

Thunderbirdセットアップ:
  • 会社等で使う人のためのパッケージソリューション

カレンダー:
  • XPCOMコンポーネントの削除、Javascriptクラスでの置き換え
  • カレンダー、タスクタブをself-containedに。できれば、HTMLだけを使って。
  • アラームサービスやほかのバックグラウンドサービスを含め、Lightningのスタートを遅らせられるようにする
  • カレンダー機能が1トリガで見れるようにThunderbirdとのUI統合を改善する
  • XPCOM依存を低減/削除する
  • ical.jsを完成させ、libicalを削除する

2019年2月10日日曜日

次期Thunderbirdへの対応(Thunderbird 65 Beta ~)

次期Thunderbirdのベータ版(Ver65 Beta4)が公開されていますが、旧来のレガシーアドオンは、Ver60のときと同じように、無効化されてしまうようです。

Thunderbird 65 Beta リリースノート

今回、少しまとまった時間がとれたので、お試しで対応版を作ってみました。
インストールできるようにするまではそんなに大変ではないのですが、それ以外の変更の影響が大きく、動作が不安定なものもあります。
また、Thunderbird 65専用で、ほかのバージョンにはインストールできないので、ご注意ください。

  • Check and Send 1.1.00b1
  • Priority Switcher 0.8.00b1
  • New Tab Button 0.3.00b1
  • Tag Toolbar 1.0.00b1
  • Maximize Message Pane 1.3.00b1

このほか、EnForwardも対応させたいのですが、苦戦中です。

ダウンロードはこちらから。


ちなみに、今回の件で、有名どころも離脱しはじめているみたいです。
「レガシーアドオンとして変更に対応し続けるのも、WebExtensionに書き換えるのも無理」と言っています。

TB65 & legacy Addon Reminderfox -- EOL

気づいてみたら、最初にMaximize Message Pane 0.1を公開したのが2005年で、私も趣味で始めた開発が13年も続いています。

10年もたつと、周りの環境も変わりますし、さすがに当初ほど時間も熱意もなくなってきます。まったり開発しているところに、これだけの変化が訪れると躊躇してしまいます。

Reminderfoxの作者さんは違うと思いますが、私のような人も多いのではないかなと思います。

Thunderbirdは、Firefoxとは違って、レガシーアドオンもサポートする方針を採ったわけですが、いずれにせよ、歴史のあるプラットフォームに手を入れるわけですから、その分痛みも大きい。

2019年、開発チームは速く、美しいThunderbirdを目指して、開発を加速させています。(下記ブログ)
アドオンの機能も、よいものは本体に取り込んでいくとも言っています。Traditional Add-onの作者はWebExtension化しないでしょとも(笑)
これまで楽しませてくれたThunderbirdチームとそのプラットフォームに感謝しつつ、新しいThunderbirdに期待していこうかなと思います。
アドオン開発は、できる範囲で細々と。

Thunderbird Blog - Thunderbird in 2019


[2019/7/30 注意]
7/26にThunderbird 69b1がリリースされましたが、以下のアドオンほぼすべてに、問題が出ています。時間をみて、これから調査という段階です。

[2019/8/26 追記]
Thunderbird 68への対応を始めました。
http://hogi-ja.blogspot.com/2019/08/thunderbird-68.html


Tag Toolbar 0.9.12

Tag Toolbar 0.9.12をリリースしました。
ツールバーの設定が、「アイコンの横にテキスト」以外に設定されているときに、メニュータイプのツールバーボタンが表示されなくなっていたので修正しています。

タグボタンや、タブをたくさん開いたときにでてくる「すべてのタブを一覧表示」が表示されるようになっています。

ほかのアドオンにも影響があった可能性もあるので、アドオンをインストールしたけど、ツールバーボタンが出てこなかった場合は、このバージョンで直るかもしれません。

http://hogi.sakura.ne.jp/ja/downloadcgi.rhtml?tagbar

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